夜中に目が覚め、トイレに行こうとヘッデンを持ってテントから這い出す。空を見上げると真ん丸なお月さんが煌々と輝き、ヘッデンを使わなくても月明りだけで歩いていける。双六小屋前からは月明りに照らされた鷲羽岳を眺めることができた。昼間とはまた一味違った幻想的な山影であった。
午前4時少し前に起床。パンとコーヒーで朝食前の朝食を軽く摂り、樅沢岳へご来光見物に出発することに。双六小屋から樅沢岳まではほんの一登りである。途中で雷鳥に遭遇、まだ暗くコンパクトデジカメではストロボの光量が小さく雷鳥まで届かないし雷鳥に近づくと逃げるので残念ながら写真を撮ることはできなかった。
樅沢岳の山頂でご来光を拝む。稜線を紅く染めながらの陽の出は最高!感動の眺めだった。15分ほど山頂からの景色をたのしんでから下山。
前夜の鍋の残りにお餅を入れた雑煮で朝食を済ませた後、荷物はテン場にデポし、必要な物だけサブザックに詰め双六岳へと向かう。
双六小屋横の這松帯を登ると三俣蓮華への巻き道ルートとの分岐点、さらにその上に中道ルートの分岐点がある。この分岐点を過ぎるとガレ場の急登だ。これを登りきると広々とした尾根に出る。尾根の先に丘状に盛り上がったピークが双六岳だ。この先はきつい登りもないので景色を堪能しながら山頂に向け歩を進める。
双六岳山頂に到着。多くの人で賑わっている。どうやら団体さんが混じっていたようで、団体さんご一行が双六小屋に向け出発すると山頂には我々以外に数人しかいなくなった。山頂からは360度の大パノラマが広がっている。西鎌尾根から槍ヶ岳そして穂高連峰、乗鞍岳、御嶽山、笠ヶ岳等などアルプスの連々と続く山並みを見ていると見飽きることがない。好天に恵まれたことに感謝である。
名残惜しいが、山頂を後にテン場へと引き返す。夜露で濡れていたテントも快晴の陽射しですっかり乾いている。早々に撤収し荷物をまとめ下山にかかる。空身に近い状態で双六岳までピストンして来た後にザックを担ぐとさすがに重い。気を引き締めなおして下山にかかる。朝は逆光でシルエット的にしか見えなかった槍から穂高連峰の眺めに期待しながらの下山だったが、槍の穂先は雲に隠れ姿を現さなかったのが残念である。
鏡平山荘前で昼食(インスタントラーメン)を摂り、デザートに山荘のかき氷を食べた。かき氷に持参の小豆・フルーツの缶詰をトッピングして少し贅沢なフラッペにしていただいた。鏡平を後にし秩父沢、わさび平で休憩をし新穂高温泉駐車場に下山した。下山後、平湯まで戻り温泉で汗を流してから帰路についた。
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