西国二十一番穴太寺参拝と丹波亀山城跡を巡る旅
西国三十三所公認特任先達として、久しぶりに西国巡礼の道を歩みました。今回訪れたのは、二十一番札所「穴太寺」と、戦国時代の歴史を刻む「丹波亀山城跡」です。移動はバイクでしたが、あくまでも手段としての利用であり、初秋の風を感じながら快適な道中となりました。
聖徳太子ゆかりの古刹「穴太寺」
穴太寺は聖徳太子の創建と伝えられ、長い歴史を持つ由緒あるお寺です。本尊の薬師如来は病気平癒の仏さまとして信仰を集め、また「布団かぶり観音(なで仏)」と呼ばれる横たわる観音像は、特に有名です。参拝者が自らの痛む部分を観音さまの同じ場所に触れて祈ることで、その苦しみを肩代わりしていただけると伝えられています。


境内には枯山水の庭園があり、静けさの中に美しさを感じることができます。訪れるたびに、ただ祈るだけではなく、心を鎮め、日常を見つめ直す機会をいただける場所だと感じます。久しぶりの参拝でしたが、特任先達として巡礼のご縁を改めてありがたく思いました。


明智光秀が築いた「丹波亀山城」
参拝の後に立ち寄ったのが「丹波亀山城跡」です。この城は天正期、明智光秀が丹波平定の拠点として築城したことで知られています。後に関白・豊臣秀吉の弟である豊臣秀勝、さらに岡部長盛や松平忠明といった名だたる武将の居城となりました。


現在、城跡は宗教法人・大本の敷地内にあり、一般公開されている部分は限られていますが、それでも石垣や堀がしっかりと残されており、戦国から江戸初期にかけての面影を十分に感じ取ることができます。特に穴太衆の技法による石垣は、力強さと美しさを兼ね備え、当時の築城技術の高さを実感させてくれます。


ただ、本丸跡が立ち入り禁止なのは少し残念でした。城の中心部に足を踏み入れることはできませんが、その分、外側から眺めることでかえって「失われた時の流れ」を想像し、当時の城下町の姿を思い描くことができました。


巡礼と史跡探訪を終えて
今回の旅は、西国巡礼と城跡探訪を組み合わせた、充実した一日となりました。穴太寺では信仰の力を改めて感じ、丹波亀山城跡では戦国の息遣いを肌で感じることができました。信仰と歴史、両方を同時に味わえる贅沢な行程だったと思います。
バイクでの移動は便利で、道中の景色を楽しみながら走れるのも魅力ですが、あくまで目的はお寺とお城。目的地に着けば、そこにある静寂や歴史にしっかりと向き合うことができました。
改めて、西国巡礼の旅は単なる参拝にとどまらず、自分自身を振り返り、歴史と向き合う大切な時間を与えてくれるのだと感じました。

-
前の記事
年間パスで2回目の竹田城跡・早朝登山 2025.08.23
-
次の記事
勝龍寺城 ― ガラシャの門出と光秀最後の城 2025.09.19