K氏主催のオフ会【花旅】で毎年恒例で開催されている『スプリングエフェメラル春告げ花と春呼び鍋』に参加した。この企画は兵庫県丹波市にある金山の麓で春の妖精スプリングエフェメラルを見てから金山に登り、昼食は山頂で鍋をするという企画である。
今年は参加できるかどうかが微妙だったので参加表明はせずのドタ参とさせてもらった。参加者はJR柏原駅からバスで金山登山口に近い「追入」までやってくる。丹波が近い私は、自宅からバイクで現地へ。登山口横の空き地にバイクを停め、追入バス停で参加者の到着を待ち合流した。
金山に登る前に追手神社・大山宮地区に春の妖精スプリングエフェメラルを見に行く。追手神社ではユキワリイチゲ、大山宮地区ではアズマイチゲ・キクザキイチゲと咲いており、もう終わりに近い節分草も数は少ないが可憐な花を付けていた。ただイチゲ種は、朝で陽が射してないこともあり花が開いていない状況であったので、金山に登った後に再度見に行くことにした。
追入神社横の登山口から金山に登る。金山は標高537mのやまであり、戦国期に金山城が築かれ、山頂が本丸跡となっている。登山口は「愛宕山」「大神宮」と彫られた石灯籠が目印である。少し登ったところに観音堂や小さな鐘楼がある。さらに登っていくと鳥居があるのだが、昨年までなかった獣よけのゲートがこの場所に設置されていた。ゲートを抜け尾根道を進むと平坦地である園林寺妙見堂跡である。石垣や石碑など往時の名残が残っている。石垣上の寺院跡は朽ち果てた木材や瓦、食器の破片など無残な痕跡を残している。
園林寺跡からさらに登ると金山城馬場跡に出て平坦な道がしばらく続く。馬場跡の終端が鬼の架け橋と山頂の分岐となっている。我々は鬼の架け橋経由で山頂を目指すべく左に道を取る。
金山の頂上直下にある「鬼の架け橋」は、二つの巨岩の間に大きな岩がかかっていて、鬼がかけたという言い伝えられている奇観であり、江戸時代の浮世絵師安藤広重の浮世絵「六十余州名所図会 鐘坂」にもその姿が描かれている。実際には15世紀中ごろの地震によりできたと考えられているそうだ。
鬼の架け橋からほんのひと登りで山頂である。本丸が置かれた山頂だけあって360度の眺望が楽しめる。山頂北側に「黒井城を望む」、南東に「八上城を望む」と書かれた木注があり、両山城域を見渡すことができる。これは明智光秀が丹波攻めの際に、八上城主波多野秀治と黒井城主赤井直正との連携を分断するために、両城の中間点を選び金山城が築城されたからである。
眺望を楽しむのもそこそこに鍋の準備に取り掛かる。これまた恒例の「春呼び鍋」である。みんながもと寄った食材で美味しく鍋をいただく。ビールが飲めれば最高なのだが、バイクで来ているのでノンアルコールビールで我慢をする。食べきれるかと思われるほど大量にあった食材がどんどん減っていく。自然の中で暖かい陽射しを浴びながらの食事は美味しく箸も進む。大満足大満腹の「春呼び鍋」となった。
鍋の材料分軽くなったザックと重くなったお腹で下山。下山後、再度花を求めて追手神社・大山宮地区へ。陽も射し暖かい日となったので、花も開いてくれていた。ゆっくり観察や写真撮影で春の妖精スプリングエフェメラルの可憐さを堪能させてもらった。
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